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「と」の方言集

相馬地方で使われてきた「と」で始まる方言40語をまとめました。
それぞれの言葉の意味も記載しています。懐かしい表現をぜひご覧ください。

語句 品詞 意味 用例 備考
~ど 終助詞
(感動・詠嘆)
~だよ。~よ。 「外寒いどぉ。」 「外は寒いよ。」
伝聞の助動詞 ~って。~だそうだ。 「外寒いんだど。」 「外は寒いんだって。」
~っと 終助詞(念押し) ~するよ。 「ご飯食べっと。」 「ご飯食べるよ。」
接続助詞 ~すると。 「本見っと書いであっと。」 「本を見ると書いてあるよ。」 ラ行の動詞の語尾に付く。
どいづ 指示代名詞 どれ。
人代名詞 どの人。
とうぎみ 名詞 とうもろこし。
とうきみ
とうみぎ
とうじ 名詞 本家。
とうじゅ 名詞 母屋。
どえっこ 名詞 間。
とこげる 動詞
(下一段)
物が古くなって、破けやすくなること。 「畳がとこげっちまった」 「畳が古くなってやぶけそうだ。」
としょり 名詞 年配の人。
どしょなし 名詞 度胸がない事、人。 「あいづはどしょなしだ。」 「あの人は度胸が無い。」
どっかさ 不定称の指示代名詞+
不確実の副助詞+
目標を示す格助詞
どこかへ。 「ピアスどっかさ(が)行っちまった。」 「ピアスをどこかへなくしちゃった。」 「どっかさ」は方言の原型。
「どっかさが」は共通語と混同した若者方言。
どっかさが
どっくち 名詞 悪口。憎まれ口。 「毒口」から。同意語:「ざんぞ」
どっくむ 動詞(五段) 仲間になる。手を組む。
とっけす 動詞(五段) 取り返す。
とっこす 動詞(五段) 追い越す。
とっこむ 動詞(五段) 取り込む。 「布団とっこめ」 「布団を取り込みなさい。」 同意語「おっこむ」
とっつぇーる 動詞
(下一段)
仲裁する。間に入って分ける。
とっつけ 名詞 手前。手元。 共通語の「とっつけ(刀剣の柄口の金具)」から?
始め。始まり。 共通語の「とっつき」から
とっぱしり 名詞 遠出。
とっぱぐる 動詞(五段) 取り損ねる。
とっぺ 動詞(五段)+
助動詞
取ろう。
とどく 動詞(五段) 到着する。 共通語では物に対して言うが
方言では「人」に対しても使用。
とねこんま 名詞 その年(当年)に生まれた子馬。 『「当年」産まれた「こんま」』から。
どのる 動詞(五段) 1. 一呼吸おく。一息つく。 「跳ねで来てこわいがら、どのってがらしゃべっからちんと待ってくいよ。」 「走ってきて息切れするので、一息ついてから話すから少し待ってくれ。」
2. 疲れたりして動かないでいるさま。
どまづぐ 動詞(五段) どもる。言葉がつかえる。 「緊張してどまづいぢまった。」 「緊張して言葉が使えてしまった」
とろぺ 副詞 絶えず。始終。しょっちゅう。
とろむ 動詞(五段) 独楽が回転を続け、一見静止しているように見える状態のこと。 川のながれの止まっている所をトロ(瀞)というのと同じ。
とろんでる
とをたてる 動詞
(下一段)
戸をしめる。
どんぐろい 形容詞 どす黒い。
どんこ 名詞
(食物・魚)
エゾイソアイナメ。
どんころ 名詞 小さい丸太などの木。 同意語:「でんころ」
とんづがね 動詞(否定)
(五段)
届かない。 「まんたとんづがね。」 「まだ届かない。」 反意語:「とんづく」
とんづく   動詞(五段) 届く。 発音は「とんづぐ」。
反意語:「とんづかね。」
とんぼぐち 名詞 入り口。
とぼぐち
とぶぐち