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か行の方言集

相馬地方で使われてきた「か行」で始まる方言72語をまとめました。
それぞれの言葉の意味も記載しています。懐かしい表現をぜひご覧ください。

語句 品詞 意味 用例 備考
かあぁー! 感嘆詞 「えぇ?!」
「何それ?!」
「嘘でしょう?!」
A:「今日も巨人負げだっけした。」
B:「かあぁー!まだが。」
A:「今日も巨人は負けたんだって。」
B:「えぇ?!またなの?」
「か」と「あ」の間に舌による摩擦音が生じる。
かぁぺ 名詞 皮。
かーまし 名詞 洪水。増水。 「川の水が増す」→「川増し」から来ている?
かいちょ 名詞 1.裏。 「かいちょ(かいちゃ)に着る。」 「裏返しに着る。」 「けいちゃ」とも言う。
かいちゃ 2.裏返し。
がおる 動詞(五段) 元気が無い様子。 「暑くて花ががおってる。」 「暑くて花が元気がない。」
かからしい 形容詞 邪魔だと感じる様子。 「前髪がかからしい。」 「前髪が邪魔だ。」 特に、目の前にあるものに対して言う。
発音は「かがらしい」。
かかる 動詞(可能・五段) 書くことが出来る。 「このペン、まだインク出っから書がっと。」 「このペン、まだインクが出るから書くことが出来るよ。」 発音は「かがる」。
動詞(受動・下一段) 記載されている。 「この本さ書がってる。」 「この本に載っているよ。」
かくし 名詞 ポケット。 発音は「かぐし」。
共通語として使われなくなってからも方言として残っている言葉。
かくなす 隠す。見えないところにしまう。 発音は「かぐなす」
かくねる 動詞(下一段) 隠れる。 発音は「かぐねる」
(手袋を)かける 動詞(下一段) (手袋を)はめる。 発音は「かげる」。
かごんま 名詞(儀式) 結婚披露宴で、新郎新婦入場の際にお先乗が触れ回る事。
かさこわし 名詞 反省会。打ち上げ。 同意語:「やまおろし」
かさぴた 名詞 かさぶた。
がさもく 名詞 がらくた。ごみ。 「かさばる『もくず』のような物」から。
同義語「もく」
かして 動詞(五段) よけて。 「場所を貸して」の意から。
かすかたり 名詞 生意気を言うこと。 発音は「かすかだり」。
かすかたれ 動詞(否定の命令) 生意気を言うな。 発音は「かすかだれ」。
かせどり 名詞(儀式) 厄払いの行事のひとつ。
かせる 動詞+
使役の助動詞
食べさせる。 「子供らさまんまかせねっかなんね。」 「子供達にご飯を食べさせないといけない。」
かたつら 名詞・形容動詞 斜め。 発音は「かだつら」。
かたちんば 名詞 片方しかないこと。
バランスが悪い。
対照でないこと。
同意語:「ちんば」
類義語:「びっこたっこ」
かたびっこ
かたづかってる 動詞(下一段) 片付いている様。
整理整頓されている状態。
「おめぇの部屋はいづもかだづがってるな。」 「君の部屋はいつも片付いているね。」 発音は「かだづがってる」。
かたっきり 副詞 全然。まったく。からきし。 あとに打ち消しの言葉を伴う。
発音は「かだっきり」。
かつける 動詞(下一段) (言い逃れをするために)かこつける。 「部活さかつけて、勉強しねぇでわがんね。」 「部活にかこつけて、勉強しないのはいけないよ。」 「つ」は弱く発音する。
かずける
かっしゃもち 名詞(食物) 柏餅。 発音は「かっしゃもぢ」
かったてる 動詞(かったてる:下一段) かき混ぜる。 「かったでで飲め。」 「かき混ぜて飲みなさい。」 「かったてる」の発音は「かったでる」。
かんます 動詞(かんます:五段) 「かんまして飲め。」
かっちめる 動詞(下一段) かき集める。
かっつぁぐ 動詞(五段) 引っかく。 「かっつぁいだら、血ぃ出ちまった。」 「引っかいたら、血が出てしまった。」
かっちぎる
かっちゃぐ
かっつぁれきかない 名詞 1.自分のことが自分でできない。 「まったぐわぁでかっつぁれきがねくせに口ばっかり達者でこのワラシ!」 「まったくこの子は自分のことも自分できないのに口ばかり達者で困ってしまう。」 発音は「かっつぁれきがね」。
2.自分の体が利かない。
がっつぇする 動詞(サ変) 小探しをする。 「引き出しん中、がっつぇさっちぇぐちゃぐちゃだ。」 「引き出しの中を小探しされてぐちゃぐちゃになってしまった。」
かっつぇわしい 形容詞 忙しない。
かっぱ 名詞 (細い木や竹などを)刈り取った後の切り株。
かっぱさす 動詞(五段) (細い木や竹などを)刈り取った後の切り株に足の裏をさしてしまうこと。 「かっぱささねよぅに気をつげろよ」 「足の裏を切り株で刺さないように気をつけなさいよ。」
かっぺる 動詞(五段) (側溝や水溜りなどに)はまること。
滑って(又はつまづいて)落ちること。
同意語:「つっぺる」
かっぽでねぇ 形容詞 何がなんだかわからない様子。
はっきりしないこと。
「おめぇの言ってっこどはかっぽでねぇ。」 「君の言ってることはさっぱりわからない。」
かどい 形容詞 1.神経質、角のある性格で人になつかない。 「かどい猫だ」 「なつかない猫だ」 主に動物に対して使用。
反意語:「なごい」
2.すばしっこい、利口な性格 「かどい魚だ」 「すばしっこい魚だ」
かどっこ 名詞+接尾語 角。
かどっぽ
かなちょろ 名詞(爬虫類) カナヘビ。
~がな 名詞 数量の限定。
かさ。~分。~相当分。
「ガソリン千円がなくいよ。」 「ガソリンを千円分ください。」 安土桃山~江戸時代頃に使われた連語「がの」から。
かぶつく 動詞(五段) 噛み付く。 「頭来たがらあんにゃの手さかぶついでくっちゃ。」 「頭に来たから兄貴の手に噛み付いてやった。」 発音は「かぶつぐ」。
かまねぇ 名詞 差し支えない。 「かまねぇ、気にすんな。」 「大丈夫、気にしないで。」
動詞+
打消しの助動詞
相手にしない。構わない。 「ほんなのさかまねぇでおげ。」 「そんな物に構うんじゃない。」
かまや 名詞 台所。
かみさまとんぼ 名詞(昆虫) アオイトトンボ。
かめばち 名詞(昆虫) スズメバチ。 発音は「かめばぢ」。
がめる 動詞(下一段) 盗む、かすめとる。 元々は共通語。
かよこ 名詞(食物) 小さいウナギ。
からごる 動詞(五段) (裁縫など)かがる。 「縫い目ほづれだがらからごっとげ。」 「縫い目がほつれたからかがっておいて。」
からすまいたけ 名詞(食物) カラスタケ。 キノコの名前。
からっつね 名詞 むき出しのすね。空脛。
~からまり 接尾語 ~がらみ。
~内外。
~前後。
「今出だら9時からまりには着ぐべ。」 「今出発すれば9時前後には着くでしょう。」 数詞の末尾につく場合が多い。
「あの人、50からまりだ。」 「あの人は50歳くらいだよ。」
かわながれ 名詞 捨て子、親に似ていない子。
~かん 助数詞 ~重。重なったものをかぞえるのに用いる。 「1枚かんと2枚かんのトイレットペーパー、どっちがいい?」 「シングルとダブルのトイレットペーパー、どっちがいい?」
「こご縫うとぎは1本かんで、こっちは2本かんで縫え。」 「ここを縫う時は1本どりで、こっちは2本どりで縫いなさい。」
がんが 名詞 農村から町、市街地を指していう小児語。
かんかち 名詞 やけど。
かんかね 名詞 カギ。 「かんぬき」からきている?
がんがんまる 名詞 三重丸。
がんけ 名詞 くぼみ。
特に、川の護岸や崖にある穴や隙間。
「岩(がん)」の「穴(けつ)」からきている?
がんけづり(がんけ釣り) 名詞 うなぎの穴釣り。
かんに 動詞+
打消しの助動詞
食べることが出来ない。
がんばこ 名詞 棺おけ。
かんぶり 名詞 頭。 「かんぶり振る。」 「頭を振る。」 「冠(かんむり)」から。
かんまがる 強調の接頭語+
動詞(五段)
「かがむ」を強調した言葉。 「かんまがって下見でみろ。」 「もっとかがんで下を見てみなさい。」
かんまぜぼう 名詞 かき混ぜる為の棒。
マドラー、湯かき棒など。
がんまる 名詞 二重丸。◎のこと。