相馬弁保存会 - 「お」の方言集

「お」の方言集

相馬地方で使われてきた「お」で始まる方言６７語をまとめました。
それぞれの言葉の意味も記載しています。懐かしい表現をぜひご覧ください。

語句	品詞	意味	用例	訳	備考
おえる	動詞（下一段）	生える。	「永久歯おえできた～。」	「永久歯が生えてきた。」
おくーらぃ	呼びかけ	（商店などで）「下さいな。」			店員が店にいなかった時に呼びかけるための言葉。
おーくーらぃ
おくーらい
おげはぐする	動詞（サ変）	機嫌をとる。	「おげはぐしった。」	「機嫌をとっていた。」
おここ	名詞（食物）	お新香。
おごれ	動詞（依頼）	ください。	「こっちさおごれ。」	「こっちにちょうだい。」	「おくれ」が訛ったもの。「ご」の発音は「ぐ」に近い。
おさまえる	動詞（下一段）	1.押さえる。	「ちゃんとおさまえどげ。」	「ちゃんとおさえておけ。」
おさまえる	動詞（下一段）	2.捕まる。	「スピード違反で警察さおさまえらっちゃ。」	「スピード違反で警察に捕まっちゃった。」
おしんこ	名詞	共有すること。	「この皿、二人でおしんこな。」	「この皿を二人で使いましょう。」	「親交を温める」から来ていると思われる。
おせーる	動詞（下一段）	1.教える。
おせーる	動詞（下一段）	2.おさえる。
おだぢ	名詞	（料理の）おかわり。	「げーだげんちょ、おだぢしちまった～」	「お腹いっぱいだけど、おかわりをしてしまった。」
おだぢもっこ	動名詞	おだてられてその気になること。			「おだてる」＋「もっこ（網状の運搬具）」から。
おだつ	動詞（五段）	つけあがる。調子に乗る。	「あの転校生、ちとおだってるした。」	「あの転校生、ちょっと調子に乗ってるね。」	発音は「おだづ」。
おちゃのこ（お茶の子）	名詞	宴会や会食などが正式に始まる前に、飲み食いを始めてしまうこと。	「あいづ来んの遅いがらお茶の子すっぺ。」	「あの人が来るのが遅いから先に一杯やっちゃおうよ。」
おちる	動詞（五段）	降りる。	「はいぐおぢろ。」	「早く降りなさい。」	発音は「おぢる」
おっかね	形容詞	怖い。	「暗い道はおっかねなぁ。」	「暗い道は怖いね。」
おっきる	動詞（五段）	（枝など長細いものを）折る。	「ほの枝危ねがらおっきっとげ。」	「その枝危ないから折っておきなさい。」	類義語：「ぼっきる」
おっきょる
おしょる
おっくりげえしひっくりげえし	動詞（サ変）	ひっくり返す動作を繰り返すさま。
おっくる	動詞（五段）	めくる。
おっぱる
おっぺがす
おっぱがす
おっぺぐ	動詞（おっぺぐ：下一段）
おっこむ	動詞（五段）	（洗濯物などを家の中に）取り込む。	「雨降ってきたがら、洗濯物おっこんでくいよ。」	「雨が降ってきたから、洗濯物を取り込んでください。」	同意語「とっこむ」
おったぐる	動詞（カ変）	追い払う。	「蚊いっぺでおったぐんのよいでね。」	「蚊がたくさんいて追い払うのも大変だ。」
おっつく	動詞（五段）	追いつく。	「いづまでたってもおっつがねな。」	「いつまでたっても追いつかないね。」	発音は「おっつぐ」
おっつける	動詞（下一段）	1.貼り付ける。	「ほごさおっつげんだでば。」	「そこに貼り付けるんだよ。」	発音は「おっつげる」
おっつける	動詞（下一段）	2.押し付ける。	「ほごさおっつげんだでば。」	「そこに貼り付けるんだよ。」	発音は「おっつげる」
おっとばす	動詞（五段）	突き飛ばす。
おっとまり	名詞	行き止まり。	「あいや、おっどまりだ。」	「おれ、行き止まりだ。」	発音は「おっどまり」。
おっぷせる	動詞（下一段）	（食器などの）口を下にして置く。	「茶碗洗ったらおっぷせでおげ」	「茶碗を洗ったら伏せておきなさい。」
おど	名詞	赤ちゃん。
おどけ	名詞	あご。			発音は「おどげ」
おどだまし	名詞	子守り。			同意語：「子供だまし」
おどのもり	名詞	子守り。			同意語：「子供だまし」
おどで	名詞	おととい。
おどぶるまい	名詞（儀式）	誕生後、初めて赤ちゃんを親戚や親しい人にお披露目する催し。			「おど（赤ちゃん）」を「振舞う」から。
おどけでねぇ	口語の動詞（命令）	冗談じゃない。	「おどげでねぇど。」	「冗談じゃないよ。」	発音は「おどげでねぇ」。「おどけるんじゃない」から来ている。
おどごあね	名詞	男勝り。			漢字では「男姉」と書く。
おばんかたです	感動詞（挨拶）	こんばんは。			発音は「おばんかだですぅ」。
おふるまい	名詞（儀式）	結婚披露宴。
おふるまえ	名詞（儀式）	結婚披露宴。
おへらう	動詞（五段）	日が暮れる。暗くなる。	「おへらったがら、帰っと。」	「日が暮れたから帰ろう。」
おぼくさま	名詞	仏壇に供えるご飯。
おまがねぇ	名詞	炊事。			「賄い」から来ている。
おまがねぇする	動詞（サ変）	炊事をする。	「今がらおまがねぇしねっかなんね。」	「今から食事の支度をしないといけない。」
おめんてー	俗語（囃し言葉）	いいざまだ。ざまを見ろ。	「やーい、おめんんてー。」	「やーい、ざまあ見ろ。」
おもさま	副詞	思い切り。目一杯。すごく。とてもたくさん。			相馬では「おもさま」。原町・小高では「おもうさま／おもいさま」。
おもいさま
おもうさま
おもさぐねぇ	形容詞	おもしろくない。	「いやおもさぐねぇしたぁ。」	「おもしろくないなぁ。」	反意語：「おもせぇ／おもしぇ」
おもしぇぐねぇ	形容詞	おもしろくない。	「いやおもさぐねぇしたぁ。」	「おもしろくないなぁ。」	反意語：「おもせぇ／おもしぇ」
おもせぇ	形容詞	おもしろい。	「いやおもせがったなぁ。」	「おもしろかったねぇ。」	反意語：「おもさぐねぇ／おもしぇぐねぇ」
おもしぇ	形容詞	おもしろい。	「いやおもせがったなぁ。」	「おもしろかったねぇ。」	反意語：「おもさぐねぇ／おもしぇぐねぇ」
おやかた	名詞	兄。			発音は「おやがだ」
おらい	名詞	我が家。自分の家。	「おらいさ遊びさ来う。」	「ウチに遊びにおいで。」	「俺の家」が短縮されたもの。この場合の「い」の発音は、「い」と「え」の中間。
おらほ	人代名詞	こちら。こっち。私共。	「おらほで立で替えでおぐど。」	「こっちで立て替えておくよ。」
おろぬき	名詞	間引きをした植物・野菜など。	「大根葉のおろぬぎだ。」	「大根の葉を間引いたものだ。」	発音は「おろぬぎ」。
おろぬく	動詞（五段）	1.手抜きをする。手間を省く。	「大根おろぬいだんだ。」	「大根の間引きをしたんだ。」	発音は「おろぬぐ」。
おろぬく	動詞（五段）	2.植物・野菜を間引く。	「大根おろぬいだんだ。」	「大根の間引きをしたんだ。」	発音は「おろぬぐ」。
おんつぁ	名詞	おじさん。
おんつぁん	名詞	おじさん。
おんつぁま	形容動詞	おおざっぱ。いい加減。	「その説明ではおんつぁまだがらわがんねぇ。」	「そんないいかげんな説明ではわからない。」
おんなる	動詞（五段）	おいでになる。いらっしゃる。			尊敬語「御成り」から来ている。
おんまぐる	強調の接頭語＋動詞（五段）	ひっくり返す。	「箱の中身がおんまぐってる。」	「箱の中身がひっくり返されている。」	類義語：「ぶんむぐる／ぶんまける」
おんむぐる
おんまける

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