係助詞の使い方
共通語と照らし合わせながら、相馬弁における係助詞の使い方や変化を紹介します。
「は」
- 主題提示:「くじらは魚ではない」→「くじらっちゃ魚でねぇど」
- 特定:「私にはくれなかった」→共通語と同様
- 強意:「行きはしたが、間に合わなかった」→丁寧な言葉遣い時のみ使用
- 対比:「静かではあるが、寂しくはない」→丁寧な言葉遣い時のみ使用
- 反復:「転んでは起き上がる」→共通語と同様
「も」
- 列挙:「桜も芽を出した」→共通語と同様
- 並列:「兄にも妹にも見せた」→共通語と同様
- 感動・強調:「雪が1メートルも積もった」→共通語と同様
- 極端な例:「猿も木から落ちる」→共通語と同様
- 不定称代名詞:「誰にも会いたくない」→共通語と同様
- 程度:「1万円もあれば買える」→共通語と同様
- 反復強調:「打ちも打ったり」→不使用
「こそ」
- 強調:「ようこそいらっしゃいました」→丁寧な言葉遣い時のみ使用
- 限定強調:「今度こそ本当だ」→共通語と同様
- 理由強調:「思えばこそ」→不使用
「さえ」
- 追加強調:「最後の望みさえなくなった」→不使用
- 極端な例示:「子供でさえできる」→不使用
- 仮定強調:「行きさえすればよい」→不使用
「でも」
- 極端な例:「子供でも知っている」→「子供だって知ってる」
- 選択例:「お茶でも飲もうか」→共通語と同様
- 不定称代名詞:「誰でもよい」→「誰だってかまね」
- 願望強調:「何でも言ってくれ」→共通語と同様
「しか」
- 限定否定:「君にしか言わない」→共通語と同様
「だって」
- 例外的強調:「あの人だって人間だ」→共通語と同様
- 対比的例示:「君も困るだろうが、私だって困るよ」→共通語と同様