格助詞(が・の・を・に・へ・と・から・より・で)
共通語と照らし合わせ、相馬弁での格助詞の使い方を口語体で紹介します。
「が」
- 主語を示す「が」は、ほとんどの場合省略される。
例:「水が飲みたい」→「水飲みでぇ。」 - 準体言を作る「のが」は共通語と同じ。
例:「そうするのが一番いい。」
「の」
- 「所有」「所属」などの使い方は共通語と同じ。
- 主語の代用としての「の」は省略される。
例:「人のいない道」→「人いねぇ道」 - 助動詞「~ようだ」に連なる「の」も省略される。
例:「りんごのようだ」→「りんごみでぇだ。」
「を」
すべて省略される。
「に」
- 存在の場所:「家にいる」→「家さいる」
- 目的地:「町に行く」→「まっちゃんぐ」
- 結果:「医者になる」→「医者んなる」
- 目的:「見に行く」→「見さんぐ」
- 対象:「友達に本をやる」→「友達さ本やる」
- 比較:「猿に似ている」→「猿さ似でる」
「へ」
すべて「さ」に変化。例:「向こうへ行く」→「向ごうさんぐ」
「と」
- 動作の共同者:「友達と行く」→「友達どんぐ」
- 対象:「道で知らない人と出会った」→「しゃね人ど会った」
- 引用:「きれいだと言う」→「きれいだって言う」
「から」
- 「から」は「がら」に変化。例:「駅から5キロ」→「駅がら5キロ」
- 起点・材料・原因・受身・基準など多様な意味でも使用される。
「より」
「より」は「よっか」に変化。例:「鉄より硬い」→「鉄よっかかでぇ」
「で」
- 多くは共通語と同様に使用
- 人数の「~たり」は「~ん」に音便化:「ふたんじぇんぐ」